お盆といえば餓鬼事経
お盆のルーツは餓鬼事経です。
藤本先生の本から引用します。
続き
[偈](詩文)
母のことばを聞いて、慈悲深いウパティッサ(サーリプッタ尊者)は、モッガラーナ、アヌルッダ、カッピナに相談した。
四つの房舎をつくって、房舎と飲食を四方のサンガに布施し、母に布施を指定した。
指定するやいなや、結果が生じた。食べ物・飲み物・衣服、これが、布施による果報である。
それから清浄な、種々に飾られた衣服と装身具を身につけた、カーシ地方産のものより勝れた清らかな衣を着た女餓鬼が、コーリタ(モッガラーナ尊者)に近づいた。
[モッガラーナ]「天女よ、なにによってそなたはこのような姿となり、荘厳されたのか?前世で人間であったとき、そなたはどんな福業(福徳を受ける善い行い)をなしたのか?」
[女餓鬼(天女)]「私はサーリプッタ尊者の母です。土色の肌で痩せ、飢え、裸で悪趣に堕ちていた私を、衆生にたいする慈悲をおもちの尊者がごらんになり、尊者のみなさまが、お坊様がたに大いなるお布施をして、その布施をわたしのために指定してくださいました(功徳廻向してくださいました)
その果報を、ここにご覧ください。わたしは千年ものあいだ、種々の味と香りに満ちた飲み物や食物を享受するでしょう。カーシ地方産のものよりはるかに優れた、数々の絹や毛糸、木綿の衣服が、わたしにはあります。また澄んだ冷たい水に満ち、芳香ある青蓮でいっぱいの池で、私は楽しみ沐浴します。
尊者よ、衆生にたいする慈悲の心をおもちのみなさまを礼拝するために、ここにまいりました」
[後日譚]
さて、マハーモッガラーナ長老は、その顛末を世尊(ブッダ)にお話しした。
世尊はそのできごとをきっかけとして、集まった会衆に説法された。その教説は、たくさんの人びとに利益あるものとなった。
女餓鬼はお布施を指定して、やってくれるように、お願いしてます。
でも、女餓鬼にお布施しても、住む世界が違うので、お水をお布施しても飲むことができないし、食べ物をお布施しても、喉をすり抜けるか、食べ物とは違うものになってしまい、食べることができません、服をお布施しても違うものになり着ることはできません。
女餓鬼は、何を受け取るのでしょうか?
本では、「功徳を廻向した」とあります。
「尊者のみなさまが四方のサンガに、大いなるお布施をして(善行為)をして、その功徳が女餓鬼(母)にありますように」と言葉で表現し、心で願ったのだと思います。
女餓鬼はおおいなる功徳を受け取ったのですね。
功徳の力は絶大です。
お盆ですので、餓鬼事経のメモは続きます。