良寛さまの嫌いなこと
1
書家の書
2
歌読の歌や詩人の詩
3
料理人の料理
3番目を引用します
「それからまた料理人の料理。これもわしの嫌いなものの一つじゃ。人は冷や飯に水をかけてザブザブと食べたい時もあれば、生味噌をあつい飯にかきまぜて食いたいときもある。立派な献立の料理でも、おなかのくちい時は見ることもいやじゃ。料理人の料理のようにいつも同じ型にはまった食べ物ばかり食わされたのではたまらない。食べ物のうまいまずいは時と場合によるし、人の好きずきにもよる。料理の仕方を考えるより、腹をへらして何でもうまく食べる工夫が大事じゃ。ところが料理人の料理というものは、いつもぜいたくをしている腹のくちい人間どもに食べさせたり、見せびらかしたりするようなものばかりじゃ。しかし食べ物の本当のうまさというものは、からだを働かせて腹をすかせたものにだけわかるものじゃ」
個人的な好き嫌いというよりも、当たり前のことを言ってます。
食べ物とか、料理人云々でなく、食べる時の自分の状態を重視してます。
いまの自分の状態はどうなの?
働いたの? 動いたの? 生きてたの?
働かざる者食うべからず。たぶん腹がくちいから。中途半端だから。
生き生きと働いた者、生き生きと動いたもの、生き生きと生きたものに、食うものは美味しい。それも本当の美味しさがわかる。
良寛さまが好き嫌いを言っても、「あなたはどうなの?」と聞かれているみたいで、好き嫌いに聞こえないのが面白いです。
生きとし生けるものが幸せでありますように。