『ブッダの実践心理学 第二巻 心の分析』より引用
無因とは、貪瞋痴でもない、不貪、不瞋、不痴でもない、善でも悪でもないということです。また、過去の業から現れる異熟心でもないのです。唯作kiriyaとは、ただ働きだけ、ちょっとした心理的なはたらきが起こるだけで、カルマを作らないということです。そういう心が3つあります。
1
捨俱の五門引転心
2
捨俱の意門引転心
3
喜俱の笑起心
1番は五門(眼耳鼻舌身)を通しての感覚です。感覚に反応している状態ですね。
2番は冥想すると実感します。
意識が出たら、それを待ち構えたように、ぐるぐる回りだす。
あっという間に、頭の中が雑念、妄想に覆われます。
3番だけは違います。
阿羅漢だけを対象にしています。阿羅漢のためだけに立てた項目です。
最初「なにこれ?」と思いました。
我々の笑いは、感情が絡み、なにかしらの業を生んでしまいますけど、阿羅漢の笑いは業にはならない、とのことです。また、我々みたいに声をあげて笑うのではく、ほほえみ、微笑ですね。
悟った、解脱した、よかった、という微笑みなのでしょうか。
下記に微笑んだ阿羅漢の話があります。
本によると、お釈迦様はよく笑っていたとのことです。
そうですね、仏像なんかも、微笑んでいます。
ですから、お釈迦様や阿羅漢が微笑んでいた理由を示すためにも、この項目を作ったのですね。
微笑んだ仏像をみたら、喜俱笑起心を連想すると思います。
下記の本から引用しました。

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