酒田市で森山大道氏の写真展を見ることができるとは思いませんでした。
開催された皆さまに敬意を表します。
技術オタクの私見になります。
展示会はパネルにしたものをイーゼルにかけたものと、マット+フレームというものでした。
フレームだとガラスが邪魔です、写真がむき出しになるパネル展示は最高でした。
1982年の「光と影」
44才の頃ですね、フィルムで撮ったものです、なんていうか勢いがあります、コントラストを高めに現像して、硬めの印画紙に焼き付けたのでしょうか?
フィルム、印画紙を湯水のように使い、その行きついたところにある写真だと思いました。
ここまでやらなければいけないのですね、すごいです。
で、次は「遠野」です。
1976年に「遠野物語」という写真集を出されていますが、今回は2014年と最近撮影したものが展示されていました。
デジタルです。
森山氏の使用機材はリコーのGRが有名です、フィルムのGRを使い、デジタルのGRも使っているのでしょうか?
機材は、写真を撮る単なる手段、道具に過ぎないのですが、技術オタクの私はどうしてもそれが気になります。
田中長徳氏が森山氏と遭遇したことをブログに掲載されていました。
GRを使っていたのですね。
で、次の遭遇のときは、どう見てもGRを持っているようには見えないのです。
2018年で御年80才になられますが、精力的に撮影されています。
機材オタクでもありますので、上記のブログを見て使用機材を特定しました。
ニコンクールピクス S7000 です。
私が持っているカメラのほうが値段が高いです、恐縮です。
機材にこだわってばかりで恥ずかしいかぎりです。
で、今回の「遠野」はデジタルカメラで撮ったものです。
フィルムのような表現が多いのかな、と思ったら 違いました。
コントラストが高い写真もありますが、そうでないものもあります。
4隅までピントがきており、コンパクトカメラ独特の写りだと連想させます。
近づいて目をこらして見ると、たぶんエッジ強調の処理がされている、で、空の雲の表現がモノクロHDRってな感じで独特で、これはどうやったのかわかりません。
元々のカメラの仕様なのか?それともレタッチソフトで調整したのか??。
かといって、そういった処理をしてない写真もありましたので、写真によって表現の方法を変えていることがわかりました。
このシーンにはこの方法、このシーンにはこれ、という具合にやっているのでしょうか。
森山氏は「コントラスト、粒子、ブレ」で知られている写真家ですが、よく見るといろいろな方法を編み出して表現しているのですね。
これは本物のオリジナルプリントを見ないとわかりません。
森山氏は御年80才になられますが、デジタルの写真表現も凄い方でした、おおいに勉強になりました。
酒田市の隣の鶴岡市加茂地区から見た淡島。